第4回 歯科医師夫婦のつれづれ手帖〜日本一のサンバ!!学生サンバ連合「ウニアン」の夏
歯科医師夫婦のつれづれ手帖は、歯科医院を共に営む夫(真面目なのでここではマジオ君)とともに、医院を訪れる患者さんに自分たちの人となりを知ってもらいたいという気持ちから、2014年から書き始めた小さな文章。
なんだかんだで続いています。
ルールは2つだけ。
1 必ず毎月、どちらかが書く。
2 内容は、歯科治療以外のこととする。
回想版:東京に巣立った娘がサンバにデビューし、初めての浅草サンバカーニバルに感動した話。
リオのカーニバルで有名なサンバ。それが浅草で始まると聞いた時は、「ええっ、浅草でリオのカーニバル??」と全く興味もありませんでした。
しかし、時が流れ、学生になった娘が出場するとなれば話は別。あの衣装を着るのか!?とドキドキした母でしたが、娘は音楽隊(バテリア)の一員として「ショカーリョ」という鈴がたくさんついたようなブラジル楽器を担当するときいて、ほっとしたような残念なような。
巣鴨にあるブラジル楽器専門店をのぞいたり、カーニバル資金を集めるために「営業」という名でいろいろなお祭りやイベントに少人数に分かれて参加したり、はてはちょっと仲間割れをしてみたり。娘を通して学生たちの楽しくも厳しい生活を垣間見て、羨ましいような、懐かしいような、不思議な気持ちになったっけ。
日本一のサンバ!!学生サンバ連合「ウニアン」の夏
〜歯科医師夫婦のつれづれ手帖Vol 4 (2014年9月)〜
我が家の一番上の娘がこの4月から東京で学生生活を始めた。18年間、慈しみ、育ててきた娘が突然家からいなくなる。ずっと前から覚悟していたことだったが、その寂しさたるや、想像を絶するものだった。場所も構わず湧き出る涙との戦い1週間。
いつまでもいじけている母親をしり目に、娘の方は切り替えが早い。スポーツ三昧だった中高時代を封印し、小学校の時にかじったトランペットの技を生かして吹奏楽サークルにでも入ろうかと言っていたのもつかの間。ある日の電話で弾む声。「私、ラテンアメリカ研究会に入ることにした!」・・・・ラテンアメリカ研究会って、なに??
その正体が明らかになったのは少し後のこと。東京都内の大学が複数集まって活動する団体の一つで、ブラジル音楽(主にサンバ)を勉強、研究、演奏する歴史ある学生連合「ウニアン・ドス・アマリードス(ポルトガル語で「素人たちの集まり」という意味)」。サークル紹介で先輩たちの行ったサンバの響きに、虜になってしまったらしいのだ。
ウニアンの一番の舞台は8月末に行われる「浅草サンバカーニバル」。裸に近い女性が激しく踊りまくるイメージのサンバカーニバルだが、本場のリオも、浅草も、出場するグループは少人数のダンサー(パシスタ)、山車(アレゴリア)、そして大人数の打楽器隊(バテリア)など100名以上から成る各団体が、「演奏」「躍動感」「ダンス」「テーマ表現」などの6項目について厳正なる審査を受け、順位を競う「競技」だという。演奏曲も各団体が作曲から行い、振り付け、衣装、山車全部手作りだというから驚きだ。私も、サンバカーニバルを見る目が、すっかり変わった。
今年、娘たちの「舞台」を見に、浅草に初めて行ってみた。50万人が集まる大カーニバル。そしてブラジル楽器を打ち鳴らし、心臓が踊りだすような躍動感あふれるパレード。サンバは、本当に聞く人、見る人みんなを楽しませ、一緒に踊りださずにいられなくなる、魔法の音楽。若さと情熱で2年連続浅草サンバカーニバルで優勝した学生サンバ連合「ウニアン」。テーマは「NIPPON」 日本一のサンバを、ありがとう! (Naomi書)音楽隊(バテリア)のショカーリョチーム。