日本人医師、歯科医師による日本人のための乳幼児検診をロンドンで!〜第127回 歯科医師夫婦のつれづれ手帖〜

「歯科医師夫婦のつれづれ手帖」は、2010年から歯科医院を営む夫婦が、医院を訪れる患者さんに自分たちの人となりを知ってもらいたいという気持ちから、2014年より院内新聞の一角に書き始めた小さな文章。2024年4月の移転後も、なんだかんだ言って続いています。

ルールは2つだけ。

ルール1 必ず毎月、どちらかが書く
ルール2 内容は、歯科治療以外のこととする(時々ルール違反あり)

第127回 日本人による日本人のための乳幼児検診をロンドンで!

 

副院長松浦直美です。

私は、今から10年ほど前に、イギリスで歯科医師として働ける免許を取得しました。

もう20年も前ですが
予防歯科学を学ぶために大学院留学したロンドンの自由な空気がとても好きで
いずれこの地で 働く機会を得たいと思っていたこと。

そして、留学時代に出会った多くの在英の日本人の方が
歯の問題で困っ ているのを見たことがきっかけです。

ただ、免許を取得したものの
家族のこと
歯科医院のこと。

多くの責任に、ロンドンで働く機会など得ることな く
今まで時間が経ちました。

しかし最近になって

子供も成長し、信頼できる歯科医師や歯科衛生士が育ち
夫である院長も応援してくれていること
そして、英国に住む日本人の医療関係者と知り合いになる機会ができたことで

少しずつ英国でも歯科の活動ができる目処が立ってきました。

具体的な内容はこれからですが
1年のうちの一定の期間をロンドンで
長年培ってきた予防歯科や予防矯正を主にした診療や相談
検診や啓蒙活動などを行い

大きく視野を広げて自分たちの歯科医院にもに貢献したい
そんな気持ちでキャリアの最後のチャレンジをしようかと
準備を始めているところです。

その一環として
2月の頭に1週間ほど英国に滞在した際
在英の日本人の子供たちの歯科検診をするという活動に参加しました。

ロンドンで児童精神科という分野で開業している女医さんが発起人となって実現した
「日本人医師、歯科医師による日本人のための乳幼児検診」です。

日本人が多く住む地域にあるコミュニティセンターで行われた検診には
小さなお子さんをもつお母さんが集まりました。

検診には、医師、歯科医師のほか、看護師、臨床心理 士、保育士
そして歯科衛生士が集まっていましたので

慣れない海外で子育てに奮闘し ている方々には
大変喜んでいただけました。

特に私が担当した歯科では、気軽に歯科に 行けない方達が
こんなにも情報に取り残されているのだと唖然としました。

一人一人の持つ力はとても小さい。
でも、力を合わせることでその力は何倍にも膨らむ。

これは、現在の歯科医院の運営で学び、実感していることです。

まずは小さな一歩から、少しずつ、日英での活動の幅を広げていきたいと思っています。

関連記事