愛すべきサラブレットよ 永遠に 〜第126回 歯科医師夫婦のつれづれ手帖〜

「歯科医師夫婦のつれづれ手帖」は、2010年から歯科医院を営む夫婦が、医院を訪れる患者さんに自分たちの人となりを知ってもらいたいという気持ちから、2014年より院内新聞の一角に書き始めた小さな文章。2024年4月の移転後も、なんだかんだ言って続いています。
ルールは2つだけ。
ルール1 必ず毎月、どちらかが書く
ルール2 内容は、歯科治療以外のこととする(時々ルール違反あり)
第126回 愛すべきサラブレッドよ 永遠に
我が家の末の息子もいよいよ高校を卒業することになりました。
なんと北海道の高校の寮に入ることになった3年前には寂しくて
涙だけあふれて大変だったのですが
人間というのは慣れるものですね。
息子のいない生活にも慣れ、保護者会だ、参観日だと折に触れて北海道を訪れる生活を楽しめるようになりました。
そんな中で見つけた北海道ならではの楽しみが
息子の好きな競走馬を見に行くドライブ旅
3年間の高校生活で2回
サラブレッドの産地日高地方を訪ねる3日ほどの旅をすることができました。
競走馬を生産したり
引退馬を預かる牧場が点在する日高。
往年の名馬はもちろん
つい先日までレースで大活躍していた馬もいて
本当にサラブレッドの聖地。
ゴールドシップ
ギムレット
ナカヤマフェスタ
ウィニングチケット・・・
競走馬にはなんの興味もなかった私も
たくさんの馬の名前を覚えて
会いに行くのは本当に楽しいものでした。
その中で私の一番好きな馬は
「ナイスネイチャ」。
大きなG1レースである「有馬記念」で
タイトルは取れなかったものの
3年連続3着に入った「ブロンズコレクター」として有名です。
タイトルを取るよりも素晴らしい成績だと思いますし
なにより引退後の活躍が秀悦でした。
浦河の渡辺牧場で
一昨年なんと35歳で大往生を遂げるまで種雄馬として大切にされ
晩年は「ウマ娘」のキャラクターとしてブレイク。
さらには、毎年の「ナイスネイチャドネーション」で
引退馬を預かり資金に苦しむ協会へ多くの寄付金と知名度をもたらしました。
昨年は私もナイスネイチャの追悼ドネーションで
ささやかな寄付をさせていただきました。
雄大な北海道を楽しんだ3年間。
安定した成績と驚くほどの長寿で
多くの人を魅了したナイスネイチャは
我が家の北海道の思い出とともに、生き続けます。
(文 松浦直美)