岩手山はひどい奴? 〜第123回 歯科医師夫婦のつれづれ手帖〜

「歯科医師夫婦のつれづれ手帖」は、2010年から歯科医院を営む夫婦が、医院を訪れる患者さんに自分たちの人となりを知ってもらいたいという気持ちから、2014年より院内新聞の一角に書き始めた小さな文章。2024年4月の移転後も、なんだかんだ言って続いています。

ルールは2つだけ。

ルール1 必ず毎月、どちらかが書く
ルール2 内容は、歯科治療以外のこととする(時々ルール違反あり)

第123回 岩手山はひどい奴?


温泉に浸かって少しゆっくりしようと、家族とドライブしていたある晴れた休日。車窓からは、左に岩手山、右に姫神山がきれいに見えていました。これらの山にまつわる言い伝えを思い出した私は、「姫神山のてっぺんは、何であんなに尖っているか知ってる?」と切り出しました。

「岩手山と姫神山は夫婦だったが、姫神山が早池峰山と浮気をしたため、怒った岩手山に首をはねられた」。それが、私が記憶していた話でした。娘はその真偽を確かめるべく、スマホで調べ始めました。その結果、数分後には私が全くの記憶違いをしていたことが判明してしまいました。

それによると、「岩手山は姫神山と夫婦になったが、早池峰山を側室にした。やきもちをやく姫神山に嫌気をさした岩手山は姫神山を追い出すことにし、その役を送仙山(オクリセン)という家来に申し渡した。

送仙山は姫神山に同情し、北上川を隔てたばかりのところに座らせた。岩手山は怒って、命令に背いた送仙山を呼びつけて首を切り落とした。送仙山のてっぺんが平たいのはそのためで、切られた頭は岩手山に食いつくように飛んでいき鞍掛山になった」という話のようです。そのために、岩手山と姫神山、早池峰山は、同時に姿を現すことは滅多になく、「同じ年に岩手山と姫神山に登ってはいけない」という言い伝えもあるとか。

私の思い違いの甚だしいこと、そもそも切り落とした部分が尖ってるはずもなく…。ところで、送仙山ってどこにあるのでしょう?

調べてみると、八幡平市、岩手町、盛岡市に位置する472.4mの山。

この場所は記憶があります。なんと、旧西根町立平舘小学校在籍時代に、徒歩遠足で登った山ではありませんか!さすがに、先生方も小学生に対し、この山の生々しい謂れについて教えることはできなかったのでしょう。

それにしても、岩手山の傍若無人ぶり。

鞍掛山に見張られて、しばらく大人しくしていたのかもしれませんが、最近活動が活発化しそうですね。

早く落ち着いて、また登山者を受け入れてくれるようになることを、せつに希望します。(文: 松浦 政彦)

松浦政彦
デンタルスクエアもりおか青山院長
医療法人颯爽デンタルスクエアもりおか青山
岩手県盛岡市青山2丁目6−20
デンタルスクエアもりおか青山
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