【プチプラ審美歯科】保険で「白い歯」は、どこまでできるのか?
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保険でも白い歯は可能?
こんにちは。歯科医師の松浦直美です。
最近、「保険で白い歯ができるようになったと言われたんだけど」と、聞かれることが多くなりました!
みなさん、やはり「白い歯がいい」、でも、「高いのはいや」、なんですねー。お気持ちはよくわかります。いやいや、保険の材料は白いとは言ってもね云々・・・と言い始めると話が長くなるので、まずは保険で目立たない治療がどこまで可能なのか、お話したいと思います。
保険といえば銀歯、というのが常識だったのは昔の話。確かに現在では、保険適用でも白く目立たない材料を使える機会が増えました。
以前からお馴染みの白い詰め物のほか、型をとって製作する被せ物にも、白い材料が適用できますが、適用に条件があること、歯種によっては使えないこともあるので注意が必要です。
保険でできる白い歯
保険内で使える白い材料は、以下の通り。
- コンポジットレジン
ペースト状の材料を、歯に直接詰めて専用の光をあてて固めます。いわゆる「白い詰め物」。前歯や奥歯にできた小さな虫歯であれば、この材料を使って1回の治療で終了できます。メリット:安価で白い歯。1回の治療回数。
デメリット:大きな修復には向かない。時間経過とともに材質の劣化がみられ、変色、着色のほか2次的な虫歯になる可能性がある。 - CADCAM 冠
CAD,CAMといった言葉は、現在さまざまな業界で広く使われるようになったので聞いたことのある方もいらっしゃるかもしれません。コンピューターがデザインを作り、コンピューターがそのデザインに沿って作る、という意味合いのCADCAMですが、歯科でも、歯の形をスキャンして人工の歯をデザインし、白い専用のブロックをそのデザインの形に削り出して作るCADCAM冠という被せ物が数年前から保険適用になりました。奥歯に使う場合は下記条件があります。
① 第一大臼歯に使う場合は、左右上下4本の第2大臼歯が残っていること。
② 第二大臼歯に使う場合は、医師の発行する金属アレルギーの診断書があること。
メリット:安価(3割負担で1万円位以内)で白い歯。金属を使わないのでアレルギーの心配なし。
デメリット:透明感(審美性)が少なく選べる色も限られる。強度も金属やセラミックに比べると劣り、プラスチック使用のため厚ぼったいと感じる方も。時間経過とともに材質の劣化がみられる。歯との接着が難しく、歪みが生じやすいいいため、他の材料に比べると外れてしまう危険が高い。
- 硬質レジン前装冠
前歯にのみ適応。金属の表側にプラスチックを貼り付けているので、裏側が金属ですが表側は白いという材料。強さと、まあまあの外観が確保できる昔ながらの治療方法です。
メリット:安価(3割負担で1万円以内)で白い歯。金属の裏打ちがあるので丈夫。表側は白い。
デメリット:アレルギーの心配あり。内側に金属を使っているので透明感(審美性)は少なく材質も劣化する。時間とともに歯ぐきとの境目に金属色がでて目立つことがある。
ほとんどの歯を白い材料で治療できるが、欠点は?
現在、一番奥の歯(第2大臼歯)を除けば、条件はありますが、ほとんど全ての歯を保険で白い被せ物にすることは可能です。
しかし、ここでよく問題になるのが、「歯を削る量の多さ」や、材質の心配。保険の材料はプラスチッが入るため弱さを補強するために厚みが必要で、歯を削る量は多くなる傾向があります。時間とともに劣化したり、上で紹介したCADCAM冠などは、外れてしまう危険も他の材料よりは高いなど、欠点もあるのが保険治療で使われる材料。
とはいえ、その欠点を理解した上で、選択していただくことは全く問題ないと思います。治療に使用した材料がなんであれ、定期メインテナンスでバイオフィルムをためない習慣をつければ、大きな問題はおこらないことが多いですし、その逆だってありうるのです。
ただ、見た目の美しさだけではなく、なるべく歯を削らない、汚れがつきにくいなど、保険治療では難しいことも可能になるのが保険外治療。
大切なのは、「もし選択肢があるのなら、きちんと保険治療とそれ以外の治療の違いを理解してから選択してほしい」ということになるかと思います。
大切な自分の歯。決定は自分自身で。
今日は、最近患者さんによく聞かれる「保険でできる白い歯」について、まとめてみました。「金属」はアレルギーの問題や、汚れのつきやすさ、見た目の問題から、やはりできれば避けて欲しいと思いますが、白い材料にも欠点はありますし、同じ「白い歯」でも、保険の効く治療法、効かない治療法があります。
「あんたプロなんだから、適当に決めてよ」
という方もいらっしゃいますが、利点、欠点を聞かずに大切な自分の歯の治療方法を決めることは、歯科医師との信頼関係を築く上でもマイナスにしかなりません。決定権と、その決定に対する責任は、「ご本人」であることを忘れないで欲しいなと思います。
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