【インビザラインのすすめ】本人にとっても、歯科衛生士にとっても「綺麗な歯並び」はいいことがいっぱい。
こんにちは。歯科医師の松浦直美です。
歯並びがよかったら・・・と思ったこと、ありませんか?
「歯並び」がよいことの基準は、人それぞれ違います。「八重歯」があるのが嫌だ、と思う方もいれば、「歯と歯の間に隙間がある」のが嫌だという方もいます。
意外と多いのが、「下の歯がガタガタしているのが嫌だ」という方。上の歯に比べて目立たないように思うのですが、本人にしてみるととても気になる。
しかしそもそも、歯並びなどというものは、「自分」が気にしなければ、特に直す必要などない。
プロである私も、そう思っていました。
でも、最近になってよく思うのです。この方のここ歯並びが綺麗だったら、もう少しメインテナンスが楽なのにな・・・って。
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歯並びがいいのは、何のため?
そもそも、歯並びがいいと、何がいいのでしょう?
もちろん、歯並びがいいと、口元の見た目が綺麗です。出歯だったり、ガタガタしていたり、八重歯が突き出ていたり、という歯並びを、「個性」で片付けられるのは若いうちまで。私も、27歳で矯正するまでは、「八重歯が可愛い」などと言われ調子にのっていたものです。
しかし、現在では、「海外では・・・」とか、「世界のエリートは・・」などという以前に、今や日本の片田舎でだって、歯並びはいい方がいいというのは誰でも知っています。ただ、その「本当の利点」まで知っている方は少ないかもしれません。
では、「見た目」がいい以外に、どんな良いことがあるのでしょう?
歯垢や歯石がつきにくくなる
逆に言えば、歯並びが悪いところは汚れがつきやすいのです。せっかく歯科医院で歯石をとってもらっても、すぐに歯石が溜まってしまったり、汚れがとりにくく、口臭の原因になったりします。また、歯垢や歯石がつきやすいところは、お茶やワイン、タバコなどの「ステイン」もつきやすい上、自分ではなかなか取り除けないため、うす汚れて不潔な印象を与えやすくなってしまいます。
虫歯や歯周病になりにくくなる
上記の続きですが、汚れがつきやすいところは最近の塊(バイオフィルム)ができやすく、時間が経つとバイオフィルムは虫歯菌や歯周病菌と言った「悪玉菌」が優勢になって虫歯や歯周病を引き起こす元になります。歯並びを良くすることで、ある一定の場所に汚れがたまることを防げます、
口が閉じやすくなる
出歯があった方は、矯正治療をすることで口が閉じやすくなり、口呼吸の改善に大きな効果があります。
歯に対する意識が高くなる
矯正治療をして見た目が綺麗になった方は、間違いなくご自分の歯を大切にするようになります。定期メインテナンスにしっかりと通院したり、セルフケアにも力を入れるようになる方がほとんどです。
中高年になるまでに治しておきたい歯並び3選
矯正治療は、やはり小さいうちや、若いうちが有利です。骨が柔らかくて歯が動きやすく、歯を動かす痛みも少ないことが多いからです。
しかし、30代以上の方でも、矯正することはもちろんできます。矯正に年齢制限はありません。特に、見た目だけではなく、歯周病や虫歯予防を考えた大人の矯正という視点から考えると、直しておきたい歯並びは次の三つ。
前歯の隙間
やはり、前歯に隙間はない方が良いのです。どうしても、「おばさん感」が出てしまいますし、汚れもつきやすいです。歯周病で前歯に隙間ができることは良くありますので、前歯に隙間がある方は、歯周病になっていないかを確認し、必要に応じて治療をしてから、矯正治療をすることをお勧めします。
また、前歯に隙間がある方は「口呼吸」していることも多いため、口呼吸を改善する努力も必要になります。しかし、隙間が閉じると口呼吸は改善しやすくなることが多いです。
下の前歯のガタガタ
これは、歯石やステインがとても溜まりやすいので、気にされている女性の方はとても多いです。下の前歯が真っ直ぐになると、汚れもつきにくい上、口を開けて笑った時に上品な感じになり、一石二鳥なのです。
上の奥歯が引っ込んでいる歯並び
「バッカルコリドオ(ほっぺた側の廊下)」という専門用語があります。ニコッと笑った時に、口角と歯の間にできる黒い影のことを指し、糸切り歯の後ろの小臼歯が内側に引っ込んでいると、その影が目立ってきます。影が目立つだけであれば見た目だけの問題ですが、じつはここが内側に引っ込んでいることで、ものが挟まりやすかったり、歯ブラシが届かず虫歯や歯周病になりやすい部位でもあります。
上あごを広げて内側に入っている臼歯を外側に張り出すことで、バッカルコリドオを小さくすることができます。
歯並びがいいと、うれしい人がもう一人
歯並びを治すことで、一番うれしいのは本人でしょう。長い期間や費用をかけて、大きな投資をした恩恵は、十分に受ける権利があります。
しかし、あなたの歯並びが良いと、とても嬉しい人がもう一人、いるのです。
それは、担当の歯科衛生士。
いつも歯石や着色がついてクリーニングに時間がかかったり、歯磨き指導をしてもなかなか改善しなかった部位に汚れがつかなくなるのですから、矯正治療後のメインテナンスはとても楽になります。
綺麗な歯並びは、ご自分だけではなく、歯科衛生士にも嬉しいものなのです。
まとめ
歯列矯正は、いくつになってからでもできます。60代、70代でも可能です。
しかし、少しでも若いうちに始めてほしい、というのも事実。もしあなたが、「歯並びを治そうかな」と思っているとすれば、思ったが吉日。
どのような方法で直すことができるのか、かかりつけの歯科医師に相談してみましょう。当院では、インビザラインというマウスピース矯正を提供しています。どの方法にも利点、欠点はありますが、しっかりと理解した上で、これから先の人生を「綺麗な歯並びで」過ごせていけたら素晴らしいことではないでしょうか。
*インビザライン治療の注意点をまとめた記事はこちら↓