愛すべき父親たち 〜第48回 歯科医師夫婦のつれづれ手帖

歯科医師夫婦のつれづれ手帖は、2010年から歯科医院を営む夫婦が、医院を訪れる患者さんに自分たちの人となりを知ってもらいたいという気持ちから、2014年より院内新聞の一角に書き始めた小さな文章。
なんだかんだで続いています。
ルールは2つだけ。
1 かならず毎月、どちらかが書く
2 内容は、歯科治療以外のこととする

第48回 愛すべき父親たち

子供の歯科医院デビューは多くの親が頭を悩ませるところですが、先日楽しい動画を見つけました。

「How to Dad」という名前のそのページの主は、ニュージーランド在住の若い父親。自身の父親業を面白おかしくいろんな場面で紹介してる自称「エキスパートDAD」です。

いろいろな新米父親の「how to 」を自演で紹介しているのですが、「どうやって子供を歯医者でおとなしくさせるか」という投稿を、友人の歯科医師が面白がって送ってきたのです。

当院にも、たくさんの若いお父さん、お母さんが小さな子供を連れてやってきますが、その心配顔、連れてくるまでのいきさつは、先輩顔で見ている私にも涙ぐましく、思わず「がんばれ」と心の中でつぶやいてしまうこともしばしば。

さて、下記、楽しいユーチューバ―のアドバイス、そんなパパたちの参考になるでしょうか。

① 歯医者と思い切り仲良くしてみせる。ハイファイブ、ハグ、子供の前で出来ることはすべてしよう!

② 自分が先に歯医者の椅子に寝てみせる。椅子が動いた途端、「ぎゃ~!!」子供より大騒ぎ。

③ シュガー作戦。「がんばったら、今日から朝も夜も食事はケーキだよ」

④ うそつき作戦。 「ここは床屋さんだよ、ほら、口を開けて!あの人が髪を切ってくれるよ」

⑤ 置き逃げ作戦。「この子供を頼む!」と玄関に子供を放り投げて父親は逃走。

⑥ 気絶。回り始めた歯医者のドリルをみて、そばにいるパパが真っ先に気絶。

⑦ 歌うたい作戦。 下手な歌を治療中の娘の前で歌いまくる  etc,etc

おもしろそうだと思った方は、ぜひフェイスブックやユーチューブをチェックしてみてくださいね。内容はともかく、こんな父親に育てられたら幸せだろうなと、笑いながら心があったかくなりますよ。

そんな親の努力のたまものか、最近は、歯科医院が好きだといって喜んで通ってくれる子供も多くなりました。子供は、親のいないところでしっかりと、頑張れるようになっていくものだなとおもいます。

それにしても、国境を問わず涙ぐましい努力の父親の姿と、対照的にたんたんと治療を受ける小さな女の子の姿が、当院でも時折みうけられる親子の姿と重なります。

明日もそんな親御さんと一緒に当院にやってくる幸せな子供たちの治療を、ついてきたおうちの方にに気絶されない程度に頑張ろう、と思いました。

幸いまだ、若いお父さんにハグされたことはありませんが、院長共々、そのような方にも対応いたしますので、ご希望の際はご遠慮なく。            (文 松浦直美)

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