ニッサンの夢、歯科の夢 〜第37回 歯科医師夫婦のつれづれ手帖
歯科医師夫婦のつれづれ手帖は、2010年から歯科医院を営む夫婦が、医院を訪れる患者さんに自分たちの人となりを知ってもらいたいという気持ちから、2014年より院内新聞の一角に書き始めた小さな文章。
なんだかんだで続いています。
ルールは2つだけ。
1 かならず毎月、どちらかが書く
2 内容は、歯科治療以外のこととする
第37回 ニッサンの夢、歯科の夢
日産の車にお世話になってもう5,6年になる。
先日、車検で日産に出向くと、担当の女性スタッフの方が、新しい車を見ていかないかというので、話を聞いた。「自動運転」とやらが搭載された、最新型の自動車らしい。
自動運転??自動で運転が動くの?頭がハテナだらけの私に、彼女は説明する。
現段階では、加速や制動などの一部の操作をシステムが行ってくれる、という程度にとどまっているが、将来は高速道路などをドライバーの管理のもと自動運転したり、さらにはインフラや法律が整備されれば、高齢者などが自宅から登録した目的地まで自動で連れて行ってもらえたりというシステムも視野に入ってきてくるらしい。疲労削減による事故減少、渋滞減少も期待される。
いつも仕事熱心な彼女は最後に一言、目を輝かせて「この技術とシステムの実現に、オリンピックを前に日産は全力を挙げているんです」
・・・・なんて夢のある話なんだろう、車のことはよくわからない私もわくわくした。自分たちの仕事が、誰かの人生の、社会の大きな役に立つ。やるなあ、日産!ため息が出てしまった。
スケールの上では日産に負けるかもしれないが、歯科の仕事にも、たくさんの夢がある、と思うことがよくある。
スウェーデンで開発された「カリソルブ」というむし歯治療は、悪いところのみを安全な薬剤で取り除く。健康な歯質を今までより多く残せることで、治療後の歯の寿命は大きく延びる。アメリカの歯科大学の教育標準となった、かみ合わせをコンピューターで徹底分析し、その人の一番よいかみ合わせを探し出して見た目も機能もよくしていくトータル治療のシステム。どちらも当院に取り入れたいと準備中である。
大企業日産にも、小さな歯科医院にも、たくさんの夢と大きな目標がある。人の役に立ち、その業界が活性化する。だからこそ、やりがいのある仕事といえるのだと思う。(松浦直美)