【プチプラ審美歯科】5万円年金生活でもできる、究極のおトクな審美歯科とは

こんにちは。歯科医師の松浦直美です。

みなさんは、何か日頃節約していることってありますか?

私はといえば、節約は体力のみかなあ〜(運動不足!)。いえいえ、他には、一度買い物に行ったら、冷蔵庫にほとんど食材がなくなるまで買い物しない、ということは気をつけていますね。すると、三人家族で、買い物は3〜4日に一回、という感じです。

急にこんな話をしたのは、最近話題のシニアの節約の本、「71歳、年金生活5万円、あるもので工夫する楽しい節約生活」(紫苑著、大和書房)を読んで、ハタと思ったことがあるからです。

人間、特に女性は、節約の話は大好きではないでしょうか。実際にお金にすごく困っている、というわけではなくとも、無駄遣いをせずに工夫して、お金をかけずに、豊かな生活をする、というライフスタイルに憧れる方が多いのは、この本をはじめとして、多くの「節約本」や「ブログ」などが人気を博していることからもよくわかります。

しかし私は仕事柄、この本の題名を見た時に、すぐに思ってしまいました。「この方、こんなに節約して、歯科にいくお金はあるのかしら」

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年金5万円のその内訳とは

私のようにこの題名に惹かれて、興味本位でこの本を手に取った方は多いのではと思います。

いくら年金生活といっても、さすがに5万円、というのはかなり少ない金額。それなのに、写真に映る著者はとても若々しくおしゃれで、71歳とは思えない可憐さなのだから、驚きます。もちろん歯もきれいで笑顔も素敵です。

今までも、「節約本」「節約レシピ」などは多くあり、私もそういう本を覗くのは好きなのですが、当然そのような本で歯科のことを書いていることなどありません。

しかし、毎回思ってしまう私の疑問。

「こういう方って、歯の検診も節約しているのかな」

私のいつもの素朴なクエスチョンは、今回はすぐに解決されました。

なんと、本文の中に公開してある5万円の毎月の生活費の内訳に、

「歯のメインテナンス代 700円」

と、きちんと書かれてあったのです。それ以外の医療費はなく、健康保険代が数千円。

私は、心の底からほっとしました。

このような影響力のある本の著者が、気負いもなく「歯のメインテナンス代」という言葉で、いわゆる「健康関連本」でもないジャンルの本の中で話題にしている、ということにとても感銘を受けました。

700円で受けられる「歯のメインテナンス」とは

歯のメインテナンスは、現在保険診療で受けることが可能です。

定期メインテナンスの内容や予防歯科に関しては、こちらのブログでも何度も取り上げてきました。
基本的な内容は下記の通りです。

1。虫歯の検診
2。歯周病の検査
3。歯磨きの確認、指導
4。バイオフィルム(プラーク)の除去、歯石の除去
5。必要に応じ初期の虫歯に高濃度フッ素の塗布、自宅でのケアの指導

以上は、現在保険で認められている「定期メインテナンス」です。
その方の歯周病の状態や、かかりつけの歯科が「かかりつけ強化型歯科診療所」であるかなどにもよって料金に少し違いはあるのですが、3割負担の方であればおよそ3,000~3,500円ほど。ごく初期の虫歯の進行を抑えるための高濃度フッ素を使用した場合はプラス400円から800円ほどになります。

71歳の筆者はおそらく2割負担。それにしても、700円というのは少々安すぎる気がしますが、なんらかの補助があるのか、もしくは虫歯のチェックや口腔ケア指導のみをうけているのかもしれません。

それでも、やらないよりは断然いいですし、ご本人が「毎月歯科にいくようになってから、歯ぐきが腫れたり、虫歯になったり、くいしばりによる筋肉のコリで口が開かなくなったりのトラブルが起こらなくなり、歯の悩みがなくなった」と書いています。

「不調のない体とは、身体のことを考えなくてもいいこと(本文より)」

歯のケアを毎月受けられるようになったことで、何か心配なことがあればすぐに相談でき、安心感を得られる他、おそらく歯磨きなどの口腔ケアも上達しているに違いありません。そして、月に一回歯科にいく時以外は、歯のことなど忘れて、好きなものを食べる豊かな暮らしができている、ということなのかと思います。

メインテナンスは、究極の「プチプラ審美歯科」

審美歯科は、お金がかかるもの、と思っている方も少なくないかと思います。

もちろん、歯科の治療の中には、費用のかかる治療もあります。保険治療内では補えないような技術力、材料や素材の品質が求められる高度な治療は、本当に価値のあるもので、すべての方が選択肢として知らされるべきだと思います。

しかし、保険で賄える治療は、保険で行うのが1番です。なんといっても窓口で支払う金額が安い。

その筆頭に挙げられるのが、「メインテナンス」。

数年前までは、「保険で予防」という概念はありませんでした。しかし、現在では、まったく歯周病や虫歯のない方でも、保険でメインテナンスを受けることができます。国が、「予防」が最もお金がかからない、と判断して、その方向に舵を切ったからです。

メインテナンスでは、口腔ケア指導のほか、バイオフィルムを取り除くためのPMTC(プロによる機械的なクリーニング)を行ってくれるところも多いので、通うほどに歯ぐきは引き締まり、歯の汚れもつきにくくなってきます。

当院では、PMTCとして、歯を傷つけない「エアフロープロフィラキシスマスター」という機械を使い、バイオフィルムの除去を行いますが、本当に「一皮むけたような」真っ白な歯になるので喜ばれています。

歯を傷つけずにバイオフィルムを除去する「エアフロープロフィラキシスマスター」

お金の節約本といえば、「三千円の使い方」という原田ひ香さんの本(中公文庫)も、随分話題になりましたね。それぞれ世代、環境、貯金顎の違う登場人物が、お金とどう向き合っていくかを考えるキッカケをくれる、と評判でした。

題名の「三千円の使い方」、もし私が聞かれたら、「まずは歯のメインテナンスに使ったら」と言いますね。

だって、三千円でこのメインテナンスが受けられる国は、世界中どこにもないのですから。

歯の心配がなくなって、綺麗になる、最高のプチプラ審美歯科。その先のことは、歯が綺麗になってから考えましょうよ。

まとめ

年上の方が、生き生きと健康に生活している様子を見るのは、本当に勇気づけられます。だって誰もが「行く道」なのですから。
かなりタイトな年金生活でも、歯科検診は十分受けられる、ということがわかって、私もとても安心しました。

しかし、シニアになってからの歯科への訪問が「定期メインテナンス」だけで済むかどうかは若い頃からの摂生がものを言います。

年金生活を安心して充実させるためにも、今から、定期メインテナンス、始めましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

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