【白い歯相談室】歯科医院で受けられるプロフェッショナルホワイトニングを紐解く
こんにちは。歯科医師の松浦直美です。
今日の【白い歯相談室】は、歯科医院で受けられるホワイトニングについてです。
歯科医師会が行った日本人1万人を対象にした調査によると、「歯の色が気になる」と回答した方は全体の33%(宮崎真至ほか:ホワイトニングNew Generation より)。ただ、どうしたら気になっている歯の色をきれいにすることができるのか、わからない方も多いことでしょう。
全く削ることなく歯を明るくして、口元やお顔全体を華やかにしてくれるホワイトニングは、被せ物や大きな詰め物がない歯であれば、「色を変える」ためのファーストチョイスになります。
ホワイトニングと一口にいっても、その言葉を見たり聞いたりする場面は歯科医院だけでなく、ドラックストアだったり、テレビのCMだったり、街で見かけた「ホワイトニングサロン」だったり、通っているエステの一角だったり。
わけがわから〜ん!!と思った方。ホワイトニングの種類をまとめた記事を、読んでみてくださいね。
今日は、数あるホワイトニングオプションの中でも、歯の色が気になる方には、まず最初に考えて欲しい歯科でのホワイトニングについてのお話です。
Contents
歯の色が気になったら
まずは、歯科の受診です。どのような理由で、そのような色になっているのかを確認することが大切。原因を確認せずに、安易に市販のホワイトニング製剤や、セルフホワイトニングをしてみても、時間とお金の無駄になるばかりか、状況を悪くしてしまうこともあります。
診察の結果、特に大きな問題がなく、色の変化が「ホワイトニング」で対処できると診断されたら、そこからホワイトニングの選択です。予算と時間が許せば、やはり最初に試して欲しいのは歯科で受けるホワイトニング。正しく受けることで、大きな効果が期待できます。
楽ちんで時短。オフィスホワイトニング
歯科医院のチェアで受けるホワイトニングです。
歯科医院によって、取り扱っている製品が違い、それぞれに利点、欠点はあるのですが、おおよその効果としてはそこまでの大きな違いはないと思われます。基本は、23〜35%ほどの濃度の過酸化水素に、酸化チタンなどの光に反応する成分や、炭酸水素ナトリウムやポリリン酸などの漂白効果のある成分を混ぜた薬剤を使用します。(過酸化水素以外の成分については、製品により違いがあります)
オフィスホワイトニングの流れ(当院の場合)
1。歯のクリーニング
2。歯ぐきを守るお薬を歯と歯ぐきの境目に塗ります
3。ホワイトニング薬剤を歯の上にのせます。
4。専用の光を10分ほど当てます。
5。薬剤を除去し、また新しい薬剤を塗布して3、4のステップをあと2回繰り返します。
6。薬剤を除去し、軽くクリーニングして終了。歯がしみやすい方にはしみ止めのお薬を塗ります。
メリット
なんと言っても時短。院内で1時間ほどの時間で終了〜♪ 忙しいママや働く女性の強い味方。
定期的に、メインテナンスと組み合わせることで高い効果が持続。
デメリット
他のホワイトニングに比べ費用が高い(参考:1回1万円〜3万円ほど)
歯がしみることがある
1回だけでは効果が出にくく、ホームホワイトニングと組み合わせたり、定期的にくりかえすことが必要(特に30代後半以降の年齢の方はすぐに効果が出にくい)
じっくり、しっかり。ホームホワイトニング
その名の通り、ご自宅で行うホワイトニング。ご自分の歯にあった専用の透明なトレーに、ホワイトニングジェルを入れて使用します。
成分は「10%過酸化尿素」。過酸化水素に換算すると3%ほどの濃度になりますので、オフィスホワイトニングよりかなり低い濃度であることがわかります。低濃度のホワイトニング剤を2週間ほどかけて継続して使うことで、徐々にではありますが確実に白くなっていきます。
ホームホワイトニングの流れ
1。歯の型を取り、専用のトレーを作ってもらう。
2。トレーを受け取って、やり方の説明を受ける。
3。ご自宅でご都合のいい時間に、トレーにジェルを入れて2時間ほど口腔内に装着して過ごす。家事をやったり、本を読んだり。なにをしてもOK。
4。トレーを外し、しみやすい方は専用のホームケアの歯磨き剤などを使用する。
メリット
過酸化水素の濃度が低いためしみにくく、長い期間かけるためしっかり効果が出やすい。
デメリット
2週間ほどの時間がかかる
毎日2時間ほどの装着が必要なのでやや面倒(はめたまま寝る「オーバーナイト」というやり方は危険なためお勧めしません)
オフィスとホームで歯の白さを完全リセット。デュアルホワイトニング
オフィスホワイトニングと、ホームホワイトニングを組み合わせる方法です。歯の色の濃い方や、年齢の高い方は、ホワイトニングの効果がでるのに時間がかかりますので、初めてのホワイトニングはこのデュアルホワイトニングで始める事をお勧めいたします。デュアルホワイトニングである程度の白さを獲得した後は、通常の歯科メインテナンスをしながら、再ホワイトニングの時期を検討します。この繰り返しで、白さが重なっていき、持続性も高くなっていきます。
これが、私がおすすめする「歯科メインテナンス」と「ホワイトニング」の最強コラボです。こちらのコラボについての詳しい記事は、こちら↓
デュアルホワイトニングの組み合わせの方法は、歯科医院や、取り入れているシステムによって違いがあります。最低限のセットは、オフィスホワイトニング一回、ホームホワイトニング2週間、という組み合わせです。どうしても費用が高くなるのが欠点ですが、初めの「リセット」として行うのはとてもよいかと思います。その後は、状況をみながらオフィスホワイトニングを繰り返したり、ホームホワイトニングを1〜2週間行ったり、自分でコントロールできるようになっていきます。
初めのカウンセリングで、自分の歯が白くなりにいくいのか、どこまで白くなりたいのか、予算はどのくらいか、ホワイトニングにかけられる期間などのご希望を伺って、組み合わせ方を考えます。歯科医院によっては、期間内にホームホワイトニングとオフィスホワイトニングを複数回受けられるシステムなど、割安な費用で、継続していただきやすい方法を取り入れているところもありますので、ホームページなどで調べてみると良いかもしれません。
ホワイトニングのポイントは、なんと言っても「継続」と、「歯科メインテナンスと組み合わせる」事です。そのための最初の一歩として、デュアルホワイトニングを考えてみてはいかがでしょうか。