【大人の審美歯科】還暦間近の従姉の歯がきれいになっていて驚いた件。
こんにちは。歯科医師の松浦直美です。
先日、東京に住む従姉に3年ぶりに会う機会がありました。久しぶりの再会を喜び、従姉の家のそばにある美味しい居酒屋さんで、乾杯してマスクを外し、話始めた直後。「ん?」と気づきました。
従姉の歯が、綺麗になっているのです!
従姉は、血縁の私がいうのもなんですが、秋田生まれの秋田美人(私も秋田生まれですけどね。)。年齢を重ねても、もちもちとした白い肌が綺麗で、いつまでも変わらないなと思っていました。そんな美人の従姉にも、残念な部分がありました。
それは、「歯」。歯並びがもともとあまりよくなく、50代になってからは歯周病も進んだのか少し前歯が飛び出ように広がっていて(歯周病がある方によくある症状です)、3年前に会ったときには、「歯を治したらいいのにな〜」と心の中で思っていました。
私は原則として、虫歯や歯周病など必要な治療は別として、審美治療や矯正治療などは本人から相談がない限り、自分から勧めることはしないようにしています。これは友人や親戚も一緒で、いくら私が歯医者でも、そしていくら仲良しの従姉でも、本人が特に気にして相談してくるということがなければ、こちらから「その歯、直した方がいいよ」とは言いません。いつも会うたびに、心の中でつぶやくだけ。
というわけで、従姉にも歯のことを話題にしたことはなかったのですが、3年ぶりにあった従姉は、唯一の欠点だった「歯並び」が綺麗になっていて、思わず「どうしたの?」と聞いてしまいました。
実は従姉には、学生時代に知り合って、都内で開業する同郷の歯科医の友人がいて、今でも歯のことはその彼にいろいろと相談しているそうなのです。
以前から、歯並びを直したら?と言われていたようなのですが、還暦間近になる最近まで、直そうと思ったことはなかったとか。何が彼女を変えたのか、その真意まではわからないのですが、コロナでマスク生活だし、という気楽な感じで、昨年とうとう歯列矯正に踏み切ったそうです。
約1年の期間をかけて、従姉の歯は、別人のように変貌を遂げていました。
「私、矯正して良かった」
口元の見た目が改善したのはもちろん、歯磨き粉などへの口腔ケアへの興味も増して、今使っている製品などをその後のラインで知らせてきました。矯正や審美治療をきっかけに、歯に対する興味や、歯を大切にしようという気持ちが芽生えることはとてもよくあるのですが、還暦を目の前にした我が従姉も、ご多分に洩れずよい軌道に乗ってくれたようです。
都内青山にあるその矯正専門歯科医院には、従姉よりもさらに年上の60代、70代と見受けられる方々が多く通院してたという話にも驚かされれました。
矯正治療は、歯を削ったりせずに見た目や機能を綺麗に整える素晴らしいMI(ミニマルインターベンション:最低限の侵襲でおこなう歯科治療)であり、その恩恵は子供や若者だけに限りません。何歳になっても、矯正治療は可能です。ぜひ、多くの方に、歯並びが綺麗になる喜びを感じて欲しいなと思います。
今回は、久しぶりに会った秋田美人のアラカン従姉が、さらに美人になっていたお話でした。
学生時代に秋田に帰省した際、「寝台列車(いつの時代だ!?)」で偶然に知り合ったという同郷の当時歯科学生だった歯科医師に「歯並び直したら?」と言われ続けた従姉。60歳を目前に矯正を始めたエピソートを聞いて、私の「自分からは人に審美や矯正を勧めない」というポリシーを、変えたほうがいいのか?とちょっと心が揺らいだ週末になりました。