キングスカレッジロンドン大学院留学 審美歯科コース始まる。
私は、2021年1月から、イギリス Kings College London の大学院生になりました。
えっ、このコロナの時代にイギリスって大丈夫かって??
はい、すごい時代になったものです。正式な修士過程であるこのコースは、なんとオンライン!まさに、お茶の間留学(^o^)
Contents
キングスカレッジロンドン(Kings College London:KCL) とは
Photo by Jan van der Crabben /adapted
Kings College London(KCL)は、今は1829年、ジョージ4世によって創設された、とにかくすごく歴史のある大学です。1826年、男性の、しかも貴族にしか開かれていなかったオクスフォードやケンブリッジ大学に対し、「万人に開かれた大学」として「ロンドン大学(University College London:UCL)」が哲学者ジェレミベンサムによって創立。それに反発したオクスブリッジが、自分たちの考えの礎となっている聖公会のやり方で、ロンドン市内に対抗する大学を作るべく創立されたのがキングスカレッジです。
今は同じ「ロンドン大学」の一つとして知られていますが、その「通信教育制度」は大きな特徴の一つで歴史が深く、「真に人々のための大学だ。屋根裏で勉強している靴職人にも教育の機会を与えている。」とかのチャールズディケンズに言わしめたとか。(Wikipediaより)まあ、働きながら勉強なんて、ほんとはしたくないですけどね。
キングスカレッジロンドン(KCL) は医学分野で高い評価。歯科分野はなんと世界一
英国内外で有名大学であるKCLですが、医学分野での評価は特に高く、生命科学、看護学、薬学など世界ランキングで高い評価を受けています。新型コロナウィルスについて、キングスカレッジロンドン公衆衛生渋谷健司教授が時々テレビ出演しているので、ご存知の方もいらっしゃるかと思います。歯科の評価は特に高く、2020年のQS World University Rankingで世界一と評価されました。
KCLのウォータールーキャンパスは、2015年にORE(Oversea Registration Exam)を受験した際の1次試験の会場として思い出深かったので、昨年このランキングをみたときは驚きました
2015年にOREを受験した際のちょっとしたお話はこちら↓
歯科医療が進んだ国といえば、アメリカや北欧のイメージですよね。イギリスはNHS(国民保険)でできる治療が驚くほど限られているために、歯科のレベルが低いと思っている人も多いかもしれません。2004年の大学院留学中は、イギリス人に「えっ、なんでわざわざウチの国に歯科を勉強しにきてるの?!」と言う反応を何度もされたものです。しかし、プライベート治療では治療からメインテナンス まで、かなり高レベルな治療が行われていますし、研究分野では、1位のキングスカレッジロンドンのほか、11位 クイーンメアリーロンドン大学、15位 バーミンガム大学、16位 UCL (ユニバーシティカレッジロンドン)、21位 マンチェスター大学など、たくさんの歯学部が世界ランキングで上位に入っています。歯科留学には、おすすめの国なんですよ。
ちなみに、2020年のQS世界ランキング歯科分野の2位から10位まではこちら↓やはり、アメリカやヨーロッパの大学が多い印象です。
2.Academic Centre for Dentistry Amsterdam(オランダ)
3.University of Michigan-Ann Arbor(アメリカ)
4.The University of Hong Cong(香港)
5.Harvard University(アメリカ)
6.東京医科歯科大学(日本)
7.University of Gothenburg(ドイツ)
8.Karolinska Institutet(スウェーデン)
9.University of Bern(ドイツ)
10.University of California, San Francisco(アメリカ)
ところで。イギリスで受けられる大学院のコースは
Tautht Master(修士過程)
その名の通り「教えられる(講義主体の)」プログラム。ほとんどの修士コースは1年間のこのトートマスター。取得できる学位は、その学問の種類によって以下の通り。
文学系:Master of Arts (MA)
理学系:Master of Science (MSc)
ビジネス系:Master of Business Administration (MBA)
工学系:Master of Engineering (MEng)
医療分野の学位は、MScです。
歯科の分野では、同じtaught master でも、3年間という時間を使って正式な専門医としての登録を目指すMaster of Clinical Dentistry(MClinDent)という学位があります。アメリカの大学院における専門医教育と同じ意味合いのものになりますが、アメリカと違って専門医をとったからと言って英国で働く可能性が開けるわけではありません。(アメリカは州により、大学院卒業後に試験をうけて歯科医師として働く道を選ぶことができます)。あくまでも、イギリス国内で専門医としてGeneral Dental Councilという歯科医療従事者の全ての登録を請け負っている機関に正式に登録されるということになります。
ちなみに、英国で歯科医師として働くためには、General Dental Council が行うOversea Registration Exam(ORE)という試験を受ける必要があります。
Research Master Degree
決まった講義を受け、それに対する課題やレポート、そして試験と修士論文を書くという流れの「Taught Master」コースに対し、Research Master’s Degreeは、専門のチューターのもと、自身で研究内容やスケジュールを決めてリサーチを進める学位コースです。博士号(PhD)に進む準備段階として、または博士コースに進むか決めかねている場合などに役立てることができる学位として、世界的に認知されており、競合の高い医学分野などで提供されています。現在、歯学分野でのResearh Master Degreeはほとんどみられません。
PhD
3年間の博士過程コース。Master Degree(マスターコース終了)が必要なことあり。このレベルになるとこのような場所でまとめることは難しいのでそれぞれの大学のサイトでしっかり調べる必要あり。
イギリス国内で、どの大学がどのようなコースを提供しているかがすぐにわかる大学院専用サイトがこちら。歯学部なら、「Dentistry」といれて検索すると、すべてのプログラムが出てきてとても調べやすいと思います。
なぜいまさら、大学院の審美歯科のMScをめざすのか
正直なところ、オンラインでパートタイムとはいえ、若い人でも大変な大学院のマスターコースを3年間、ドロップアウトせずにやり遂げる自信は、ほぼゼロ。歯科医院での通常の診療、さまざまな雑務、反抗期息子の世話、正直、これ以上忙しくなれないほど、忙しい毎日なのです。しかも、MScは歯科公衆衛生学で2004年にUCLに留学してもう取得済み。
それでも、「審美歯科」というものを、大学院レベルで系統だてて学びたい、と思っている理由。
それはズバリ、「自分がキレイになりたいから!!」「そして、その喜びを患者さんと分かち合いたいから!!」
40代も半ばを過ぎると、色香は衰え、髪もぱさぱさになり、歯の色もなんだかくすんできて。。。。そんなアラフォー〜アラカン世代でも、突出した清潔感を醸し出している方。。。それは、なんといっても「歯や口元がキレイな方」です。しかも、わざとらしいのは絶対ダメ!生まれたての天然歯のような自然なつやときれいな歯茎。これです。
予防歯科で虫歯や歯周病のコントロールができた患者さんが、次に望むのは美しさ。定期メインテナンスが普及してきた今、その需要は間違い無く、増えています。
セラミック。ホワイトニング。インプラント。歯肉整形。そしてダイレクトコンポジット。
日常に行っている「キレイになるため」の治療を、エビデンス(研究成果)をしっかりと確認しながら、系統だてて、自信を持って行えるようになりたい。短期間のセミナーや勉強会は数あれど、どれもパズルのピースのかけらだけをみている感覚で物足りない。予防歯科から審美歯科、口元のシワ治療(ボトックス、ヒアルロン酸)まで、有名大学の大学院で学べるのなら、自信を持ってこれからも提供できる。
自分が受けたい治療。健康的にキレイになれる治療。それがあるのなら、医学の恩恵は受けるべき。
そんな気持ちではじまりました。英国キングスカレッジロンドンの審美歯科マスターコース。
こちらも、一般の方、歯科医療従事者、どちらにもわかりやすいように、少しずつお伝えしていきたいと思っています。
まあ、そんなに意気込まずに。のんびり行こうよ、人生は