京都に行って考えた 〜第41回 歯科医師夫婦のつれづれ手帖

歯科医師夫婦のつれづれ手帖は、2010年から歯科医院を営む夫婦が、医院を訪れる患者さんに自分たちの人となりを知ってもらいたいという気持ちから、2014年より院内新聞の一角に書き始めた小さな文章。
なんだかんだで続いています。
ルールは2つだけ。
1 かならず毎月、どちらかが書く
2 内容は、歯科治療以外のこととする

第41回 京都に行って考えた

京都は日本のいにしえの都、修学旅行の定番でもあり大抵の人は訪れたことがあると思われる。

ところが、私は今まで縁が無く、この齢(50歳)になるまで未踏の地であった。「そうだ 京都、行こう」というキャッチコピーを見るたびに、「京都に行ってみたい」という想いを強くしてきた。

今回、所属学会の学術大会が京都にて行われることとなり、やっと念願の地を踏むことが出来た。

主目的は学会参加、観光に充てられる時間は少ない。
学会前日が休診日であったのを幸いに、前日入りして可能な限り観てまわる作戦だ。

「京都観光 一日」とネットで調べ出てきたモデルコースから、初心者にふさわしいと思われた「清水寺~高台寺~円山公園~八坂神社~知恩院~青蓮院~南禅寺~永観堂~哲学の道~銀閣寺」、約7Kmのコースを選択した。其々の史跡は、どれも歴史の深さを感じる味わいがあり、特に雨に濡れた庭園の美しさは想像以上であった。

歩いていると気になる史跡がどんどん出てきて、時間も歩行距離もはるかにオーバー!その後数日間、脚の筋肉痛に悩まされる羽目になった…。

翌日からは、早起きしたり、学会場からの帰りに立ち寄る形で、「伏見稲荷」、「京都御所」、「東本願寺」、「西本願寺」、「二条城」などを訪ねたが、時間が遅くて中を観られなかったところも…。

しかし、どこに行っても外国の方や、修学旅行生が多く、京都は街全体が「一大テーマパーク」であると感じた。修学旅行生の足元が、みんな新しいスニカーなのが微笑ましい。

最後に訪ねたのが「八木邸」。新撰組発祥の地である。行ってみてびっくり、現在は和菓子屋になっており、ガイドによる解説(抹茶菓子付)が1,000円なり。ガイド内容は八木邸のことにとどまらず、ペリー来航から始まる幕末絵巻である。

帰りの新幹線の時間は気になるものの、ぐいぐい話に引き込まれていった。佐幕派、倒幕派の違いはあれど、それぞれの信念のもと熱い血潮をたぎらせて行動していたのであろう。

今われわれが、天下泰平の世に生きることが出来ているのも、「世の中を変えよう」と働いた先人たちの功績のうえに成り立っているのだとの思いを強くした京都訪問であった。 (文 松浦政彦)

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