第33回 歯科医師夫婦のつれづれ手帖〜生徒諸君へ!〜

歯科医師夫婦のつれづれ手帖は、歯科医院を共に営む夫(真面目なのでここではマジオ君)とともに、医院を訪れる患者さんに自分たちの人となりを知ってもらいたいという気持ちから、2014年から院内新聞の一角に書き始めた小さな文章。

なんだかんだで続いています。
ルールは2つだけ。
1 必ず毎月、どちらかが書く。
2 内容は、歯科治療以外の事とする。

第33回 生徒諸君へ!

ここ2年ほど、頑張ってほぼ交互に書き続けてきたこの「つれづれ手帖」。今月はマジオ先生の番なのに、高校のPTA役員として最後の原稿と重なってしまい、「今月も頼む!」と言われて、また院内報の原稿と向き合っています。 PTAといえば、我が家の息子もいよいよ高校卒業。野球と,友情に満ちあふれていた高校生活も、終盤は受験との戦い。何とか乗り切って、自分らしさを十分に発揮できる場所へと、進んでほしいと祈るばかりです。

進路をあれこれ考える息子をみて、自分はどうして歯科医師になったんだっけ?と思い出してしまいました。英語が好きだったので、将来はなんとなく母と同じ英語教師になるんだろうと思っていた中学時代。ところが、理科の授業で「赤血球」や「心臓」などの体の仕組みを習ってからというもの、生物がとても好きになり、将来は医療の仕事につきたいと思うようになりました。

そのころ、父とよくサイクリングをしていたのですが、近所にとてもきれいな歯科医院が建築中でした。それをみた父が一言、「歯科医師なんて、すばらしい仕事だと思わないか?」。虫歯だらけで歯科医院には恐怖のイメージしかなかったのに、きらきらしたその歯科医院と、清潔感あふれるそんな職場でかっこいい白衣をきて働く自分を想像し(その頃女性歯科医師はあまり見ることがありませんでした)、とてもわくわくしたのを覚えています。

どうして突然あんなことを言ったのか、父は数年後に他界してしまったので今では真意を知る由もありませんが、漠然と医療の仕事につきたいと思っていたとき、手先を動かすことが好きなこともあり、歯科医師という選択肢はほんとうに「すとん」と私の中に入りました。 高校に入ってからは迷わずに歯学部を目指して生物の理系クラスへ。きらいな化学の授業のときなどは、ノートにかっこいい白衣のデザインを落書きして時間をつぶすこともありましたが・・・。

自分で憧れてついた職業というのは、どんなに困難があっても頑張れるものですよね。当時と違って歯科医師の激戦時代と言われるようになってしまった今でも、同業の主人と一緒にわくわくと頑張れるのは、高校時代からの夢だったからこそ。今は本当にたくさんの職業があり、成長とともに変わっていく夢を追いかけるのもまた素敵。

自分を信じて、大きな大きな空へ、はばたけ、高校生!!

(文 のあみ)

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